11年前の6月3日、港区特定公共賃貸住宅シティハイツ竹芝で、エレベーター事故により、当時、高校2年生だった市川大輔さんが亡くなりました。
エレベーターから降りようとしたところ、エレベーターが急上昇し、かごの床面と乗降口の枠の上部との間に挟まれてしまいました。
港区議会は、エレベーター等対策特別委員会を設置し、事故の原因究明を調査してきました。
ご遺族は、平成20年に、港区、財団法人港区住宅公社、シンドラーエレベータ株式会社、エス・イー・シーエレベーター株式会社、株式会社日本電力サービスを被告とする訴訟が東京地方裁判所に提起されました。
長年の審理が行われ、昨年11月に和解が成立しました。
和解の際に、ご遺族と区が交わした覚書では、「被害者の命日である6月3日を安全の日とすること、また、この安全の日が区民全体が安全を考える日となるよう取り組むこと」とされています。
港区は、この覚書を踏まえ、6月3日を港区の安全の日とすることとしました。
本日、私の所属するエレベーター等対策特別委員会に、市川さんのご遺族であるお母さまが出席されて、委員会の最後に発言されました。
11年前の6月3日、朝6時に市川さんがいつも通りに家からいってきますとでていったこと、それが、夕飯の支度をしている時に、二度と戻らない命になってしまったこと、もし、あの時、保守点検がきちんとされていたら、失う命はなかったこと、もう2度とエレベーター事故は起こしてはいけないこと、また、市川さんは11年間エレベーターに乗ったことがないそうです。
お話をきいて、涙がでてきました。
ご遺族にとっては、2度と帰ってこない命と11年間、またこれからも向き合ってきたし、むきあっていくんだと思います。
私たちは、この事故を風化させてはいけない、二度とエレベーター事故を起こしてはいけないと強く思いました。
港区安全の日の6月3日には、シティハイツ竹芝と隣接しているヒューマンプラザで、港区安全の日の式典が開催されます。