現在の大学生の2人に1人が何らかの奨学金制度を活用し大学に通っています。
港区の奨学資金は、貸付型で昭和34年度から始まりました。
1年間で奨学資金を借りている学生は平成28年度には27名、29年度には30名、30年度には28名です。
区の毎年の奨学資金の決算額は平成28年度が45,21万6千円、29年度は45,45万6千円となっています。
国は消費税を今年10月に10%に引き上げ、来年2020年4月から、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯に、大学の授業料及び入学金の減免、そして給付型奨学金の支援をするとしています。授業料等減免は各大学が、給付型奨学金は日本学生支援機構が支給するとされています。
高校においても奨学給付金が生活保護世帯または非課税世帯を対象に支給するとされています。
国が引き上げる消費税2%のうちの1.5兆円で、少子化対策として幼児・高等教育無償化、保育士の増員となっており、高等教育はその中の7600億円とされています。30年度は全国で2万2,800人が対象になります。しかし、1学年約6万人いる非課税世帯の進学者からたった2万人です。給付型奨学金を受けるにはかなりハードルが高いともいえます。給付額も2万円から4万円とされています。
現在、高校卒業者の約8割が大学や専門学校等に進学しています。しかし、生活保護世帯の子どもの進学率は3割台、児童養護施設の出身者はたった2割台です。
つまり7割の生活保護受給世帯の子どもたちは、大学に行くことすら諦めていることになります。
生まれた家庭の経済格差が教育格差をもたらし、将来的な所得格差につながっています。
高等教育を受けることすら諦めている、今、家計を支えるために自分が働かなければならない。そう考えている子どもたちは現実にいます。
ひとり親の貧困率が高い日本、生活するため、ダブルワーク、トリプルワークで働いている親がいます。生活するお金を稼ぐためにだけ追われていて余裕がない家庭があります。その姿をみて、中学校を卒業して働けば少しは親の役に立てるそう思う子どもたちがいます。
高等教育をうけることで将来進む道がかわってくること、勉強することで得られる資格があること、それを教えていかなければ15歳で人生をあきらめてしまう子どもたちがいます。あと7年間勉強することで、将来的に受け取る収入がかわります。
厚労省の調査によると、学歴による賃金格差は、40歳では、正社員の男性の場合、中学卒だと年収439万円、大学・大学院卒だと676万円、女性の場合は、中卒だと316万円、大学大学院卒だと544万円で200万円以上の差が生じています。これを一生の賃金に換算すると、教育の格差は将来的な所得の格差、経済格差を生み出していることになります。
港区は、生活保護受給世帯には塾の支援、また学習支援事業を行っています。
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この支援をうけた子どもたちが、給付型奨学金制度を活用し、大学を卒業して社会で羽ばたいてほしいと思います。
今年1月から港区版ふるさと納税に「すべての子どもに居場所と学びの環境を整える」ための事業が寄付充当事業に追加されました。
私はこの寄付金を活用し、港区から、給付型奨学金制度を早急にすすめていきます。
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